糖質と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
パンやお米を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
最近では、ダイエットに糖質が注目され『糖質オフダイエット』などと言われ、特に言葉の認知は上がっているかと思います。
ここではその糖質と呼ばれるものが一体何なのかを知ることで糖質の取り方に少しでも興味を持っていただけたらと思います。
ここまで知らなくていい基礎のこと
糖質は、炭素(C)水素(H)酸素(O)で構成されている有機化合物です。
誰しも化学の授業やどこかで化学構造を目にしたことはあると思います。
Cn(H2O)n の形で表されるのが糖質の特徴です。
しかし、日々過ごしていて物を見たときにこんな化学式が浮かんでくる人はいないでしょう。
いたら余程の変態に違いありません。
この化学構造は栄養のことを深く理解していくには重要なのですがここではスルーしていきます。
特徴
先ほどスルーした化学構造ですが、この化学構造によって糖質は「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分けられそこから細かく種類が分かれています。
エネルギー源や体組織の構成成分として利用される糖質ですが、体内ではわずかしか含まれておらず、食事によって摂取し利用することが主になります。
摂取された糖質の多くは最終的にブドウ糖まで分解され、血液を通し各細胞に運ばれエネルギーとして利用されます。脂質と比べ即効性があるのも特徴です。
過剰に摂るとどんな危険があるのか
最初の話の「糖質オフダイエット」の話に繋がってきますが、結論、糖質の過剰摂取は肥満につながります。
『この糖質(炭水化物)の摂取が肥満につながる』という文だけが広まり「糖質オフダイエット」はやった訳ですね。
ここで大事なのは過剰摂取された時です。
ブドウ糖は過剰に摂取されると脂肪に合成されて、体脂肪として蓄えられます。
しかし、現在の調査によれば日本人の炭水化物の摂取量は年々減少しています。
取り過ぎは肥満につながりますが、そこまで意識する必要は無いのではないかと個人的には思います。
その他、果物や砂糖に含まれる、フルクトース(果糖)を大量に摂ると肝臓への蓄積や高尿酸血症などの危険があり、砂糖に多いショ糖は虫歯の原因になりますので注意が必要です。
不足している時の体の異常
主としてエネルギーとして働いている糖質が不足すると体にはどのような変化が起きるのか。
ブドウ糖によるエネルギーが無い状態なので他でエネルギーを作り出そうとします。
そのエネルギー源になるのが体内のタンパク質と脂質です。体内のタンパク質や脂質から糖を合成する働きを糖新生と言います。
これらが大量に行われると筋肉を減少させたり、血中にケトン体が増加するケトン血症を招きます。
なので先ほども出てきた糖質オフというのはこういった危険もあることを把握しておく必要があります。
糖質の種類
糖質の最小単位は「単糖」と呼ばれ、その結合数により「少糖類」「多糖類」に分けられます。
・単糖類
- ブドウ糖(グルコース)・・・自然界に最も多く存在し、最も重要な糖質です。果物のブドウが名前の由来
- 果糖(フルクトース)・・・糖質の中で最も甘味が強いのが特徴。果汁や蜂蜜に多く含まれます。
- ガラクトース・・・乳糖の主成分で乳汁に多く含まれます。植物中には含まれていません。
・少糖類
- ショ糖(スクロース)・・・砂糖の主成分でブドウ糖と果糖が結合した二糖類。サトウキビ、てんさい糖に多く含まれます。
- 麦芽糖(マルトース)・・・ブドウ糖が2つ結合した二糖類で、麦芽や水飴に含まれデンプンが分解された際に生じます。
- 乳糖(ラクトース)・・・ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類。乳幼児の重要なエネルギー源になり母乳には5〜7%の乳糖が含まれていると言われています。
- オリゴ糖・・・消化酵素で分解されず、腸内のビフィズス菌の栄養源になります。オリゴは「少し」と言う意味
・多糖類
- デンプン・・・ブドウ糖が多数結合した多糖類。穀類、イモ類、豆類に多く含まれます。
- グリコーゲン・・・ブドウ糖が多数結合した動物性多糖類。肝臓や筋肉に多く含まれます。
- その他・・・細胞壁のセルロース、野菜果物に多いペクチンなどがあります。
糖質の基礎についてご紹介しましたが、これはあくまでも基礎知識。
この糖質の知識だけでは糖質オフダイエットのように間違った情報に振り回されるかもしれません。
いろいろな知識を学びその栄養素への興味が少しでも湧いてくだされば嬉しく思います。
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